「全裸の祖父が、排泄物を家の壁に塗っていた」小2で認知症の70代祖父を介護…風間トオル(61)が振り返る“ヤングケアラー時代”
#2
「全裸の祖父が、排泄物を家の壁に塗っていた」小2で認知
症の70代祖父を介護…風間トオル(61)が振り返る“ヤン
グケアラー時代”
風間トオルさんインタビュー #2
2023/10/14
genre :
コピー
川崎市出身の俳優・風間トオルさん(61)は、子ども時代、祖父母と3人で貧困生活を送っていた。小
学2年生頃になると、認知症が始まった祖父の介護もするようになったという。風間さんは、近年社会的
関心が高まっている「ヤングケアラー」(本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話、介護な
どを日常的に行っている子どものこと)の当事者だったのだ。
小学生時代の風間さんは、いったいどのように祖父を介護していたのだろうか? また、ヤングケア
ラー問題に対して、当事者としてどのような思いを抱いているのか。本人に話を聞いた。(全2回の2回目
/
から続く)
風間トオルさん ©細田忠/文藝春秋
◆◆◆
ADVERTISEMENT
おじいちゃんが70代の頃、認知症が始まる
――風間さんは子ども時代に認知症のおじいさんのケアもされていたそうですが、おじいさんの認知症
が始まった頃、風間さんはおいくつでしたか。
風間トオルさん(以下、風間)
小学校2年生くらいだったと思います。もともと糖尿病を患ってい
て、それからいつも寝ているようになって。おじいちゃんは80代で亡くなっているので、70代の頃に認
知症が始まったんじゃないかな。
――当時の風間さんは、おじいさんの認知症をどのように捉えていたのでしょうか。
風間
当時は認知症という言葉も知られていなかったので、病気のせいでこうなっているのかな、とい
う感じでした。おばあちゃんも「おじいちゃん、ちょっと病気になっちゃったんだよ」という風に話し
ていましたし、あまり重く受け止めている感じではありませんでした。そういう時代だったのかもしれ
ませんね。
子ども時代の風間トオルさん(写真=本人提供)
夜中にいなくなって近所を探し回ったことも
――おじいさんの認知症の症状には、どのようなものがありましたか。
風間
すぐどこかに出かけちゃうので困ってましたね。しかもなぜかわからないんですけど、全裸に
なって出かけるんですよ。なのでご近所的な問題もあって。
子どもの時、学校から友達みんなで帰っていたら、友達が「変な人がいるぞ」というんです。で、指
差す方を見てみたら、全裸のうちのおじいちゃんで。しかもうんちしながら歩いていて、よその家の壁
にそれを塗りたくっていて……。
――そのとき、風間さんはどうされたんですか?
風間
みんなは怪獣を見つけたような感覚で「うわ~!」と騒いで逃げるので、さすがに「自分のおじ
いちゃんなんだ」と言い出せなくて。それがちょっとショックでした。だから僕も一緒に逃げて、一度
家に帰って荷物を置いて、それからおじいちゃんを探しに行きましたね。
関連記事
Recommended for you
おすすめのキーワードタグ一覧
おすすめ一覧
「エンタメ」記事のランキング
総合ラン
キング
エンタメ
総合
最新
24時間
週間
月間
写真
11位から20位を見る
最新情報を発信中!
SPECIAL
PRESENT & EVENT
著者
メールマガジン登録(無料)
文春オンラインの最新情報をお届け
メールアドレス
パスワード(半角英数6文字以上12文字以下)
利用規約に同意します
ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た
正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号6091713号)です。
(c) Bungeishunju Ltd.